OSL線量計は、光刺激ルミネッセンス(Optically Stimulated Luminescence:OSL)を利用した線量計である。ある種の物質では、放射線を照射したとき励起される電子の一部は、Fセンターと呼ばれる結晶の陰イオン格子欠陥に捕捉され、一時的に安定な状態になる。この状態の物質に強い光を当てると光刺激ルミネッセンスと呼ばれる蛍光を発し、その量は初めに照射した放射線の量に比例する。近年、レーザー技術の発展によって単色で強い光の使用が可能になり、また、OSL素材として酸化アルミニウムという物理的に安定な、すぐれた素材が開発されたことによって、環境や個人被ばく管理用の線量計に利用されるようになった。この素材をシート状に成型加工し、いくつかの金属フィルタを用いて固有のエネルギー依存性の補償を行った線量計が利用されている。