宇宙空間に存在する高エネルギーの放射線と、それらが地球の大気に入射し、大気中の原子核と相互作用を起こすことによって生ずる二次粒子や電磁波を総称して宇宙線といい、前者を一次宇宙線、後者を二次宇宙線という。一次宇宙線の大半は超新星の爆発によって放出され、直接地球に飛んでくる一次銀河宇宙線であるが、太陽フレアの最中に放出される主に陽子とアルファ粒子からなる低エネルギーの荷電粒子も存在する。一次銀河宇宙線の約90%は高エネルギー陽子であり、その他、アルファ粒子、重粒子、電子などが存在する。宇宙線には緯度効果と呼ばれる現象があり、緯度によって強度に差がある。これは、一次宇宙線の荷電粒子が地球磁場によって影響を受けるためであり、高緯度地方では高く、低緯度地方では低くなる。