ウィンズケール原子炉事故

ウィンズケール原子炉事故 うぃんずけーるげんしろじこ

 1957年英国での原子炉事故。事故を起こしたウィンズケール1号炉は、英国のシェラフィールドにある天然ウラン黒鉛減速空気冷却方式の原子炉で、主に軍事用プルトニウム生産に使われていた。この事故は、原子炉の運転を1957年10月7日に停止し、運転中に黒鉛の結晶中に歪みとして蓄えられたウィグナーエネルギーを放出する作業中に、炉心を過熱しすぎて火災を起こし燃料棒を損傷し、放射性ヨウ素などの核分裂生成物を環境に放出した事故である。周辺住民に対する被ばくで最も支配的だったのはヨウ素131でその推定放出量は2万Ciであった。周辺地域での牛乳の出荷が停止され、300万リットルの牛乳が海へ投棄された。作業員14名が30mSv/3ヶ月を超えて被ばくし、その最大は46.6mSvであった。本事故は緊急時の公衆の放射能防護対策が確立される端緒となった。


<登録年月> 2006年01月

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