原子力電池(atomic battery)とは、ラジオアイソトープの壊変(崩壊)エネルギーをエネルギー変換器で電気エネルギーに変える一次電池である。プルトニウム238やストロンチウム90など比較的長い半減期のラジオアイソトープ(放射性同位元素)から壊変によって放出されるアルファ線やベータ線のもつエネルギーは物質に吸収される際、熱エネルギーに変換する。保温材を用いてこのエネルギーを閉じ込めると高い温度が得られる。熱電変換素子を用い、この高温と外気温との温度差を利用して熱起電力により電池の働きをさせる。この方式を「熱電変換」方式と呼ぶ。1960年代のアメリカによるアポロ計画で利用が開始されたことが有名である。