常温で気化して空気中に溶け込む有機化合物を揮発性有機化合物(VOC、volatile organic compounds)という。接着剤等に含まれるホルムアルデヒドのほか、キシレン、ベンゼン、トルエン、など千種類を越えるVOCが溶剤や可塑剤に含まれ、発ガン性や催奇性の疑いをもたれているものが数多くある。VOCは浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因の一つである。VOCの排出を抑制するため、環境省は自動車からの炭化水素の排出規制に加え、工場等の固定発生源からのVOCの排出及び飛散に関し、排出規制、自主的取組の促進、各種検討調査などの施策を講じている。固定発生源からの排出抑制措置等を講じるため、2004年5月に大気汚染防止法の一部が改正され、2006年4月から施行される。また、同法では国民は製品の購入にあたってはVOCの使用量の少ない製品を選択する等に努めなければならない旨が規定されている。VOCの人体への影響は中毒、アレルギー、化学物質過敏症などの健康障害として現われる。