ボクセルファントム

ボクセルファントム ぼくせるふぁんとむ

 人体の臓器・組織が受ける線量及びこれらの荷重平均である実効線量は、放射線の人体への影響の指標であり、放射線影響評価はこれらの量に基づき行われる。これらの量の直接測定は困難なので、人体の生体物質を模擬したモデル(ファントム)を用いたシミュレーション計算あるいは実験により評価が行われる。ファントムは、シミュレーション計算用の数値ファントムと実験用の実体のある物理ファントムに分類される。人体の構造を詳細にモデル化するために、数式のかわりに小さな直方体要素を用いて臓器・組織を表現するのがボクセルファントムであり、1984年Gibbsらによって最初に開発された。その後、人種、年齢層、性別などを対象にして研究開発が進展している。いずれも、ボクセル(VOXEL:volume pixel)と呼称される微小直方全体で構築された3次元形状として、実際の人体に非常に近い形でモデル化されている。ボクセルファントムを用いるとCTやMRI画像データをほぼそのままモデル化できるため、現実の人体に非常に近い構造を持つファントムを作成することが可能となる。


<登録年月> 2005年12月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ