ICRP代謝モデル

ICRP代謝モデル あいしーあーるぴーたいしゃもでる

 人体内に取込まれた元素が体外に排泄されるまでの挙動をモデル化し、全身中又は器官・組織間の核種の動きを量的、時間的に示した数学モデルで、ICRP Publication 30において代謝モデル(Metabolic Model)の語が用いられた。Publication 56,67,68,69では体内動態モデル(Biokinetic Model)という用語が用いられている。ICRPは体内動態モデルを数学的に表すのにコンパートメントモデルを採用している。放射性物質が体内に取り込まれた場合、摂取量を求めた後に、ICRP代謝モデルに従った預託実効線量評価を行う。ICRPの線量評価モデルは年齢階級別のパラメータが与えられており、年齢に合わせた推定が可能である。例えば、137Csの生物半減期は110日とされているが、乳幼児ではこれよりも短くなる。しかし、このモデルは作業環境における被ばく評価を目的として作られており、一般の環境に適用する際には吟味が必要である。また、白人を対象としたモデルであり、日本人に適用する際にはパラメータの補正も必要となる。


<登録年月> 2005年12月

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