地震時に発生する縦揺れの力を鉛直地震力という。原子力発電所の設計において、従来は水平地震力のみについて基準地震動を策定して動的地震力を適用していたが、2006年9月に改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」では鉛直地震力についても同様に扱うこととなった。この指針では、建物・構築物の静的地震力の算定において、Sクラスの重要施設については、水平地震力と鉛直地震力が同時に不利な方向の組合せで作用するものとすること、鉛直地震力は、震度0.3を基準とし、建物・構築物の振動特性、地盤の種類等を考慮して求めた鉛直震度より算定することなどを定めている。また、機器・配管系の静的地震力の算定でも、水平地震力と鉛直地震力は同時に不利な方向の組合せで作用するものとすることを定めている。