カンピロバクター

カンピロバクター かんぴろばくたー

 古くからウシやヒツジなどの家畜で流産や腸炎を起こす菌として注目されていた。1970年代に入りヒトにも腸炎を起こすことが判明し、1982年に食品衛生法で厚生省に報告する食中毒事件票の「病因物質の種別」の中に加えられ、食中毒起因菌として指定された。カンピロバクター属の内で、ヒトに腸炎を起こす菌種としてカンピロバクター・ジェジュニとカンピロバクター・コリが知られているが、実際に検出されるのはほとんどカンピロバクター・ジェジュニである。形態は、彎曲した螺旋状構造である。カンピロバクター(campylobacter)の語源は、ギリシャ語のcampylo(カーブした)と bacter(棍棒)に由来している。ヒトのカンピロバクター感染症では、発熱、腹痛、下痢、血便を伴う腸炎症状がみられ、治療をすれば2−5日で回復することが多い。まれに虫垂炎や腹膜炎等の下痢症以外の症状がみられることもある。菌が体内に侵入してから発症するまでの潜伏期間が比較的長く、一般に2−7日間かかる。


<登録年月> 2005年11月

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