米国における連邦レベルでの電気事業自由化のきっかけは、1978年の公益事業規制政策法(Public Utilities Regulatory Policies Act:PURPA)の成立である。この法律は、石油依存度の低減と省エネルギーを目的とし、風力発電などの小規模電源のうち、一定の条件を満たすものを適格認定設備(Qualifying Facility:QF)として認定すること、電力会社はQFからの電気の購入を義務付けられること、購入料金は、その電力購入で回避することができるコスト(回避可能原価)とすることが規定されていた。このため、発電事業に参入するものが急増し、電力需要の低迷と相まって、電力会社は余剰電力を抱え、この余剰電力の売却が卸電力市場の活性化、さらに電気事業の自由化につながった。