水素エネルギー

水素エネルギー すいそえねるぎー

 酸化反応で多量の発熱を行う特性に注目してエネルギーキャリアとしての水素を指す呼び方。水素は最も単純な構造を持つ元素だが、酸素と反応して多量の熱エネルギーを発生する。化石燃料は基本的に炭化水素化合物であり、特に気体の天然ガスは発熱量の多くを水素に依存しているので、水素自体はこれまでもエネルギー供給に寄与してきた。しかし、水素は単体として天然に存在しないことから水素化合物を分解して製造する必要があり、製造コストが高価なために、ロケット燃料のような特殊用途、またはアンモニア等の原料としてしか用いられてこなかった。水素を製造する方法には天然ガス等の化石燃料の改質、水の電気分解、水の熱化学式分解などがあるが、このうち、商業的に実用化されているのは化石燃料の改質であり、水を原料とした水素製造は低コストのエネルギー源が必要なため、まだほとんど行われていない。ただ、電気と同様にクリーンなエネルギーキャリアであるため、製造、貯蔵、輸送、及び効率的な利用に係る技術開発が進められている。


<登録年月> 2010年10月

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