人類が、経済発展、エネルギー・資源の確保、環境保全という相互に両立が困難なトリレンマの関係にある課題に直面している問題をいう。人類は20世紀にOECD諸国を中心に飛躍的な経済発展を遂げたが、これによって、エネルギー・資源の供給確保の問題、地球規模の環境問題が深刻なものとなった。世界的には、OECD諸国の人口をはるかに上回る発展途上諸国の人々が未だ貧困の状態に置かれており、21世紀にこれらの諸国がOECD諸国と同様に豊かさを享受するためには、トリレンマ問題に適切に対処し、持続的に人類が生存し得る道筋を見出すことが不可欠とされている。トリレンマ問題の克服のための処方箋はまだ明確ではないが、例えば、低コストで非枯渇性のエネルギー源の確保、省エネルギー・省資源に寄与する技術・システムの開発・導入、環境負荷のより小さな社会経済システムの構築、並びにこれらを可能にする基盤的技術の革新などが必要とされている。