ヘリウムガスなどの作動ガスをシリンダー内に充填し、外部からの加熱でガスを膨張させ、仕事をさせる機関。1816年に英国のロバート・スターリングが発明した。ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関とは異なり、シリンダー外で燃料を燃焼させるので外燃機関の一種である。経済性、実用性に課題があるため、発明後長い間注目されずにきたが、下記の特長を有することから、1973年の石油危機以降に研究開発が精力的に進められている。(1)高効率:理想的に作動すれば熱力学の理論上で最高効率を示すカルノーサイクルの効率に一致。(2)低公害:急速な爆発過程や弁機構がなく、シリンダー内の圧力変化も滑らかなため、振動や騒音レベルが低い。外部加熱システムのため、排気ガスの清浄化が容易。(3)多様な燃料、熱源の利用が可能:石油系燃料、天然ガス、石炭、廃棄物などの固形燃料はもちろん、工場排熱、太陽熱等の使用も可能。