体積欠陥

体積欠陥 たいせきけっかん

 格子欠陥の一つであり、形状が3次元的なものをいう。原子空孔が3次元的に集合して形成されるボイドが代表例である。ボイドの形成によって材料の体積は増加する。中性子照射の場合、中性子と材料の構成原子との核反応によってヘリウム等のガス原子が生成する場合、ガス原子がボイドの成長を助長する場合がある。このようなガス原子が入り込んだボイドをバブル(気泡)という。ボイドとバブルを総称してキャビティという場合もある。ボイドは多くの金属材料で照射温度が融点の0.2から0.55の範囲にある時に生成されることが知られている。ボイド形成の機構としては、過剰に存在する原子空孔が結晶粒界等の核となる部分に集積することによると考えられる。結晶粒界に気泡が生成すると著しい延性低下が起こる。


<登録年月> 2005年08月

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