波力は、自然エネルギー中ではエネルギー密度が高く、有望なエネルギー資源であり、日本を含む各国で研究開発が進められている。波力発電システムには大別すると(1)波の上下振動を利用、(2)波の水平振動を利用、(3)遡上波を利用して用水池に海水を貯水し水車を回転させるシステム、の3方式がある。また、(1)、(2)の両者を併用する方式もある。わが国では、航路標識用の発電装置や実験用として10を越える発電装置が作られているが、ほとんどは、波の上下動を利用した水柱形である。波の上下振動で作った圧搾空気を送風してタービンを回転させる(1)の方式は、構造が単純で耐久性に優れているため各研究機関で研究され、現在は主流になっている。この方式はタービン方式、振動水柱形とも呼ばれる。波力発電装置は、設備の耐久性や経済性の問題があり、更に改良が必要である。