ボイドスエリング

ボイドスエリング ぼいどすえりんぐ

 高温下の中性子照射では照射量が大きい場合、ステンレス鋼等の材料ではボイドと呼ばれる空隙が生ずる場合がある。ボイドの発生は照射によって生ずる原子空孔が、格子間原子と再結合して消滅することなく、移動し、結晶粒界等を核として集合することによる。格子間原子は原子空孔よりも移動しやすいので、照射温度が低いと格子間原子のみが移動して、原子空孔と格子間原子の再結合が起こる。照射温度がある程度高温の場合には、原子空孔が移動・集合して空隙を形成する。照射温度が非常に高い場合には、原子空孔の熱平衡濃度が高くなるので、原子空孔は集合しにくくなる。ステンレス鋼の場合、ボイドが形成される温度は約500℃である。このようなボイド形成の結果生ずる体積膨張をボイドスウェリングという。体積膨張は、結晶構造が稠密である面心立方系金属材料の方が大きく、結晶構造に隙間のある体心立方構造の方が小さいので、ステンレス鋼の場合、いわゆるフェライト系の合金の方がスウェリングは小さい。


<登録年月>
2005年07月




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