格子間原子

格子間原子 こうしかんげんし

 正規の結晶格子位置ではない格子の隙間に入り込んだ原子を格子間原子といい、点欠陥の一つである。点欠陥は主として結晶格子中に原子1個程度で存在する格子欠陥を指す。点欠陥は通常、熱平衡状態にある結晶中に存在する。これは点欠陥が存在した方が結晶のエネルギー状態が低くなるためである。熱平衡状態で存在する格子間原子の濃度は、原子空孔濃度よりも小さい。放射線によるはじき出し損傷によって生ずる原子空孔と格子間原子の対は、放射線損傷によって生ずる基本的格子欠陥でフレンケル対と呼ばれている。放射線照射や結晶の変形等によって、熱平衡濃度以上の点欠陥が生成されると、過剰な点欠陥は結晶中を移動して集合し、種々の二次的格子欠陥を形成する(2次欠陥)。この2次欠陥が材料の強度や塑性などに大きな影響を及ぼす。なお、格子間原子は一般に原子空孔の場合よりも低い温度で移動を開始する。


<登録年月> 2005年07月

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