米国アルゴンヌ国立研究所が新概念の高速炉として開発を試みたPRISMにおいて、シビアアクシデントの発生頻度をさらに低減する仕組みの1つとして設けた機器。Gas Expansion Module(ガス膨張機構)の略称。GEMは一次冷却系ポンプの吐出圧変化でガスを収縮・膨張させる機器で、冷却材ボイド反応度が負となる位置に設置されている。冷却材流量の喪失時にはガスの膨張によって負の反応度が投入され、出力の上昇が抑制される。すなわち、冷却材が失われた際に、ガスの膨張により拡大した空間を通って炉心の中性子がブランケット・反射体方向へ向かって洩れ出るため、炉心の反応度が低下していくメカニズムを利用したものである。