イオンビーム育種

イオンビーム育種 いおんびーむいくしゅ

 イオンビーム育種は放射線としてイオンビームを使うことを特徴とする品種改良技術で、1987年から研究開発が始まった純国産技術である。イオンビーム育種の特徴は次のとおりである。(1)多種多様な品種の作出:ガンマ線などに比べて、イオンビームでは突然変異スペクトルが広く、多様な突然変異を引き起こすことが出来るので、これまで作れなかった新しい形質の品種を効率よく作り出せる可能性が高くなる。(2)選抜作業の効率化:イオンビームでは突然変異率がガンマ線などに比べて数倍から数10倍高くなるので、少ない試料を使って効率良く目標とする改良が達成できる。最初に扱う個体数が少ないため、広い栽培施設や圃場が不要になり、また少ない労働力と短い選抜期間で品種改良ができるというメリットがある。(3)育種期間の短縮:イオンビームで作った突然変異体は目的とする形質変化以外に付随する変異が少ない。ガンマ線の場合、不要な変異を取り除くために、10年近い歳月が必要となる。しかし、イオンビームで作った突然変異体では、早いものでは2年くらいで新品種を作り上げることができる。


<登録年月> 2005年05月

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