有効電力

有効電力 ゆうこうでんりょく

 電気回路において有効に利用できる電力をいう。直流回路では電気のすべてが有効電力となる。交流回路でコイル、コンデンサのように電圧と電流の位相差を生じるような素子がある場合には、位相のずれに応じて使用できない無効な電力が生まれる。電圧と電流の時間変動がある交流では実効電圧と実効電流の積を皮相電力と呼び(正弦波交流では電圧と電流の実効値はともに最大値の√2分の1)、これが見かけ上の電力であるが、位相のずれが生じると有効電力はこの見かけ上の電力よりも小さくなる。正弦波交流では位相のずれをθとすると、皮相電力にcosθを掛けた値が有効電力、sinθを掛けた値が無効電力となる。交流でも位相のずれがなければcosθ = 1であり、有効電力は皮相電力に等しい。一般に、電気機器では有効電力をWで、皮相電力をVAで表示している。


<登録年月> 2012年06月

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