環境有害物質・特定疾病対策庁

環境有害物質・特定疾病対策庁 かんきょうゆうがいぶっしつ・とくていしっぺいたいさくちょう

 ウランは毒性の強い放射性物質であり、劣化ウランのもつ放射線毒性や化学毒性から、その危険性を強く訴える人々がいる一方で、世界保健機構(WHO)や米国国防省などは、「湾岸戦争帰還兵や紛争周辺の住民の変調が劣化ウラン弾によるものである、という科学的な証明がない」と否定的立場をとっている。一方、アメリカの環境有害物質・特定疾病対策庁(ATSDR)は、一般向け問答集の中で「天然ウランの毒性についてはよく分かっていないが、ウラン鉱山の労働者は肝臓障害を起こしやすく、実験動物でも肝障害が見られる。また、放射能の影響による発がん性も考えられる。ウランを摂取してから長期の後に発症する可能性もある。動物実験では、生殖障害や催寄性も示唆されている」と述べている。劣化ウランと健康障害との因果関係を立証するには多大な時間と労力が必要で、疫学調査も含めた科学的な研究が強く望まれている。


<登録年月> 2005年02月

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