1991年、ペルシャ湾で勃発した湾岸戦争において、その帰還兵たちに集団的に発生した白血病、癌、脱毛症、皮膚の痛み、倦怠感や関節痛、記憶障害などの一連の病状を総称して湾岸戦争症候群と呼ぶ。原因としては、イラク軍が使用した化学薬品、神経ガス防御用に米軍兵士に強制投与された試薬や生物兵器用の予防接種、油田火災や大量の石油流出による大規模環境汚染、米軍による劣化ウラン弾の大量使用、などがあげられている。湾岸戦争症候群と劣化ウラン弾との関係が疑われたが、アメリカ国防総省は調査の末「症候群と劣化ウラン弾との因果関係は確認出来ない」とする否定的立場をとっている。