固体酸化物燃料電池

固体酸化物燃料電池 こたいさんかぶつねんりょうでんち

 固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は、電解質として酸素イオン導電性酸化物を使用した燃料電池である。酸素イオン導電性酸化物は、液体の電解質と同様に酸素イオンを通す性質(イオン導電性)を持つ固体酸化物をいう。電解質に固体を用いると発電装置の構成が簡単化でき、保守管理も容易になる。このため、主として中小分散型電源として性能の良い固体電解質材料の開発を目指した研究が行われている。一般に,固体酸化物はある程度の高温下でないと高いイオン導電性を示さない。現在、SOFC電解質としてイットリア安定化ジルコニア(Yttria Stabilized Zirconia:YSZ)が広く用いられている。これはYSZが酸素イオン導電体であり、しかも空気極、燃料極の雰囲気で安定な物質であるためである。動作温度である1000℃では、構成材料の制約が大きいので、動作温度を下げる電解質の開発が行われている。


<登録年月> 2004年12月

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