安眠島事件

安眠島事件 あんみょんどじけん

 韓国は1987年の全斗煥(チュンドファン)大統領辞任後、盧泰愚(ノテウ)民主党代表委員の「6.29民主化実践宣言」によって、言論の自由が拡大した。不正蓄財、財閥と官僚との癒着等々、社会悪が次々と暴露された。このような中で、従来十分に国民や地域住民の理解を得ずに進めて来た原子力開発も、抵抗に遭遇せざるを得なかった。その典型的な事件が1990年の安眠島(アンミョンド)事件である。政府は西海岸の小島に放射性廃棄物の管理技術を研究開発する研究施設を建設する計画をたてた。しかしこの計画を正式に政府が発表する前に幾つかの新聞が報道し、住民は大規模な放射性廃棄物恒久処分施設が建設されると誤解し抗議行動を行った。住民側は政府の無反応に怒りを増し、何名かの活動家が入り込んだことも加わり、1万人の住民が参加して警察署を焼打ち、70人が逮捕、23人が重傷を負う事件に発展した。この事件は政府の信頼性を傷付け、建設計画が白紙撤回され、科学技術省大臣が引責辞職する結果となった。


<登録年月> 2004年12月

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