外部コスト

外部コスト がいぶこすと

 external cost. 外部性に係る費用。外部性とは、ある経済主体(生産者又は消費者)が他の経済主体に与える影響(損害又は便益)のうち市場取引の外部に置かれているものをいう。影響が損害の場合には外部不経済、便益の場合には外部経済と呼ぶ。外部不経済は正の費用、外部経済は負の費用を発生させるが、通常、外部コストという場合には正の費用を指すことが多い。例えば、電気事業者が火力発電所を操業し、その際に発生する大気汚染物質で周辺住民に呼吸器疾患が発生した場合、患者の治療費及びその他の逸失利益は外部コストである。実際には、多くの先進諸国では既にこうした火力発電所の環境影響を低減すべく各種の対策を施しており、対策の費用を発電コストの一部に組み入れて料金設定を行っている。こうした行為を外部不経済の内部化という。ただし、外部コストの中には責任の特定や定量化が困難なためまだ内部化されていないものも多い。


<登録年月> 2010年12月

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