天然存在比

天然存在比 てんねんそんざいひ

 natural abundance. 天然に存在する状態での元素の同位体構成比。天然に存在するすべての元素は複数の同位体で構成され、人為的要素による変動を除くとその構成比率はほぼ一定である。自然界に存在する壊変系列(トリウム系列、ウラン系列等)の途中過程の放射性同位体は生成と消滅が繰り返されるが、親核種の半減期がきわめて長いため概ね放射平衡の状態にあり、存在量はほぼ一定である。ただ、地質年代的な時間長さでみると、半減期が異なるために存在比が変化する場合がある。例えば、オクロの天然原子炉が示すように、ウラン235の同位体比率はかつて3%を超えていたと推定されるが、α壊変の速度がウラン238よりも速いため、現在では0.72%に低下している。また、物理的、化学的な同位体効果で特定同位体の濃度が変化する場合があるため、局所的に天然存在比からの乖離が生じる場合もある。


<登録年月>
2012年01月




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