排煙脱硝装置

排煙脱硝装置 はいえんだっしょうそうち

 火力発電所等の化石燃料燃焼施設からの排煙に含まれる窒素酸化物(NOx)を取り除き、大気への排出量を低減するための装置。排煙中のNOxは燃料中の窒素を起源とするものと、燃焼に用いる空気中の窒素を起源とするものがある。これらの比率は燃料に依存し石炭の場合は8割程度が燃料起源、逆に天然ガス火力の場合には全量が空気起源である。一般に、空気起源のNOxの発生量は燃焼温度に依存し、高温下ほど発生量が増加する。石炭火力発電所等での排煙脱硝装置としてはアンモニアでNOxを還元して分解するアンモニア選択接触還元法が用いられている。自動車の排ガスにも空気起源のNOxが含まれており、ガソリン車では三元触媒で他の汚染物質とともに効率よく脱硝が行われる。ガソリン車以上に燃焼温度が高くNOxの発生の多いディーゼル車では構造的に三元触媒が使えず対策が困難であったが、最近では排気ガス再循環装置と触媒を用いて効果的な対策も確立されつつある。


<登録年月> 2010年09月

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