中性子テレビ法

中性子テレビ法 ちゅうせいしてれびほう

 中性子と反応して蛍光を発するコンバータ(蛍光コンバータ)と超高感度のテレビカメラを組合せた撮影法。蛍光コンバータとしては、6LiFとZnS(Ag)の混合物がよく使われている。この方式の特徴は、動画を撮影できることであり、通常のテレビ法で毎秒30駒、高速度カメラを用いると毎秒1000駒の撮影も可能となる。
 中性子テレビ法を用いると、エンジンを稼動した状態で内部のピストン、バルブ、潤滑油等の動きを直接観察できる。この実験は、1970年代後半にイギリスAERE Harwell研究所のDIDO炉を使用して行われた。冷中性子ビームを原子炉建屋に隣接した撮影室まで導き、毎秒100駒の速度で撮影した。現在では、高中性子束を有する研究用原子炉の出現と撮像システム等のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、国内でも日本原子力研究所JRR−3Mの中性子ラジオグラフィ装置を用いて気液二相流等の研究が精力的に行われている。しかし、国内、国外を問わず中性子テレビ法を実用面に使用できる施設は高中性子束が必要なこと等の問題により限られているのが現状である。


<登録年月> 2004年12月

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