原子炉水化学

原子炉水化学 げんしろみずかがく

 原子炉冷却水の放射線分解による放射性腐食生成物の種類や発生しきい値を明らかにする学問分野をいい、現在問題になっている配管への放射能蓄積の低減化、作業員の放射線被ばくの低減化や応力腐食割れ防止のために重要な分野である。放射性腐食生成物は冷却水系の配管・機器及び燃料集合体の表面から発生した水垢(クラッド)が炉心において中性子照射を受けて放射化したものである。線量率に大きく寄与する核種は60Co、59Fe、54Mnなどである。この冷却水中のクラッドの発生低減と浄化系のクラッドと放射性腐食生成物の除去は発電所の作業員の受ける被ばく線量を下げるために重要なことである。BWRの冷却水、PWRの一次及び二次系、CANDU炉等において、安全性・信頼性、長寿命化等に関して原子炉水化学の影響は大きい。


<登録年月> 2011年10月

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