潜像

潜像 せんぞう

 放射線はハロゲン化銀を含む写真乳剤中の原子・分子に電離作用を及ぼして、自由電子、イオンや励起種を生成させる。これらが銀イオンを還元して生ずる像が潜像である。潜像は安定で、これを現像、定着すると放射線の写真ができる。潜像退行とは、フィルム現像後に得られる黒化濃度が、被ばく後現像されるまでの期間により変化し、期間が長いほど黒化濃度が減少することをいう(フェイディング)。これは照射によって生じた潜像が時間の経過及び着用期間中の温度、湿度によって消失してゆくためで、一般に高温高湿なほど潜像退行が著しい。


<登録年月> 2004年03月

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