濃縮ウランを製造する方法の一つである。ガス拡散法では、細孔(80〜100オングストローム)を有する隔膜を利用して、この隔膜を透過させることによりウラン−235濃縮度を高める。この際、使用するウランは、ガス化した六フッ化ウランであり、隔膜の前後に圧力の差をつけて、細孔を通す。この場合、気体の運動エネルギーは1/2MV2であり、軽い成分のほうが平均運動速度は大きく、ウラン−238とウラン−235とではウラン−235のほうが大きくなる。このことから、理論分離係数は(M2/M1)1/2 となり、 1.004となる。この細孔が均一でかつ多量に製造できるか否かが重要である。材質としてはニッケル、アルミナまたはポリフッ化エチレンが用いられている。その製造法は各国の機密事項となっている。この隔膜は円筒状の長いパイプ状に造られ、それらを何本も組み合わせて、タンク内に納めて、ポンプにより、加圧、吸引が行えるようにしている。