エームス試験

エームス試験 えーむすしけん

 Ames test. 化学物質や放射線が細胞の持つDNAに作用して、その塩基配列に損傷を引き起こす性質(変異原性)を調べる試験である。必須アミノ酸のヒスチジンがないと生育できない変異株のネズミチフス菌を化学物質と一緒に培養すると、化学物質に変異原性があれば、菌が分裂する過程で復帰突然変異が起こりヒスチジン非要求性になる。菌はヒスチジンを自己生産し増殖を続けるためコロニーを形成するので、コロニー数を計測することにより、突然変異を起こすか否かを知ることができる。食品成分の放射線照射では、分解生成物は非照射食品中にも含まれている。食品成分の中でも脂質は加熱処理と同様に放射線でも分解しやすいが、180℃の加熱調理の方が分解生成物の量が多いことが報告されている。放射線特有の分解生成物としては2−アルキルシクロブタノン類が検出されているが、その生成量は極微量であり、エームス試験で変異原性がないことが報告されている。


<登録年月> 2004年03月

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