安全限界のしきい値に対して持たせる一定の裕度を安全余裕という。例えば、原子炉停止時には最大反応度価値を有する制御棒1本が完全に引抜かれた状態でも、炉心は未臨界を維持できることが要求されており、これは停止余裕ともいう。核燃料加工工場などでは臨界事故を防ぐために核分裂性物質の質量、濃度、形状・寸法のような臨界条件を支配するパラメータを制限値以下に押さえることにより臨界に対する安全余裕を持たせている(臨界安全裕度ともいう)。この他に燃料、プラントの各機器、建屋の耐震性などほとんどを網羅して安全余裕が定められている。