屋外の自然条件下で、農作物及び果樹・林木等の植物に対してガンマ線を照射し、有用な突然変異を誘発させて品種改良を行うとともに、放射線生物学等の基礎的研究を行う施設。一般には「ガンマフィールド」の呼称が用いられ、かつては世界に多数の施設があったがその多くは閉鎖された。日本では(独)農業生物資源研究所の放射線育種場(茨城県常陸大宮市)に「ガンマーフィールド」と呼ばれる大規模な施設があり、現在も運用されている。この施設は、半径100mの円形圃場で、中央に88.8TBqの60Coガンマ線源を装備した照射塔があり、周囲は高さ8mの防護用の土堤で囲まれている。放射線育種場では、新品種の育成に貢献する一方、突然変異誘発機構の解明・突然変異誘発技術の開発などの基礎的な研究を行っている。さらに、依頼を受けて照射を行うとともに、共同研究も進めている。