発電用原子炉に必要な低濃縮ウランを製造するための米国の民間ウラン濃縮事業会社。1980年代まで、米国のウラン濃縮事業はエネルギー省（DOE）の直轄事業であったが、1992年10月に成立したエネルギー政策法に基づき1993年7月に合衆国濃縮公社（United States Enrichment Corporation；USEC）が発足し、濃縮に関する業務は基本的にすべてDOEから同公社に移管された。その後、同公社は1998年7月に完全民営化し、USEC Incorporated（ユーセック）と改称した。米国の濃縮プラントとして、かつてはオークリッジ、ポーツマス、及びパデューカの3工場があったが、現在はUSECがパデューカ工場で年間6000トンSWU程度のウラン濃縮を行っている。同工場の老朽化に備え、USECは遠心分離法による新工場をポーツマスに建設しており、すでに部分操業を開始した。