Electricite de France(EDF)。国有企業のフランス電力公社を前身とする民間のフランス電力会社。フランスは電気事業の公益性を重んじる立場から、1946年に制定の「電気・ガス事業国有化法」により電気事業を国有化し、発・送・配電のすべてを運営するフランス電力公社(EDF)を発足させた。1950年代の電力は、主に石油、石炭等の化石燃料に依存していたが、第一次石油危機後は原子力を採用して、エネルギーの輸入依存からの脱却を達成した。その後、欧州EU内における1996年の「EU電力自由化指令」に基づき、フランスでは2000年2月に「電力自由化法」を制定し、段階的に電力市場の自由化を進めた。この自由化の流れの中でEDFは周辺国エネルギー事業者の買収を積極的に進めたが、国有企業であるEDFが周辺国の民間事業者を買収することに激しい反発があり、2004年に民間のフランス電力株式会社(名称はEDFのまま)になった。なお、政府は株式の約8割を所有している。2009年末現在、EDFは国内外に発電設備を約1億4,000万kW所有、また、フランス国内では約9,700万kW(この内、原子力発電設備は約6,600万kW)を所有し、発電電力量の約80%を原子力が占めている。