光量子放射化分析

光量子放射化分析 こうりょうしほうしゃかぶんせき

 photon activation analysis. 高エネルギーの光子(γ線)による原子核との反応を光核反応と言う。光核反応は、光子の波長が丁度原子核の大きさに近くなると、双極子共鳴によって光エネルギーを吸収する”巨大共鳴”が起こる。共鳴が起きるエネルギーは軽核で20数 MeVから重核では10数MeV程度まで変化する。この共鳴励起後、原子核から中性子や陽子が1〜2個放出される。この光核反応で生成する放射化核種からの放射線を測定し、はじめの元素を同定する方法を光量子放射化分析(PAA)という。PAAでは(γ,n)反応が最も多く利用される。PAAの特徴は、(1)高エネルギーの光子は物質中の透過性が大きいので、種々のマトリックスの試料全体を放射化できる。(2)中性子放射化分析では、特定の核種で反応断面積が大きいために、自己遮蔽が生じたり、強い生成放射能のために微量元素の分析が妨げられたりするが、このような問題が起こりにくい。


<登録年月> 2002年03月

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