光化学反応

光化学反応 こうかがくはんのう

 photochemical reaction. 物質が光を吸収し、その光によって起こる化学反応をいう。熱反応では起こらずに、光照射によってのみ起こる反応はかなり多い。光による分解、合成、異性化、酸化、重合などの反応が含まれる。白黒写真では感光剤の臭化銀が光によって銀原子に変化し、写真のもととなる。植物の葉緑体のクロロフィルに吸収されたエネルギーは複雑な経路を経て、水と二酸化炭素から澱粉を作る。太陽電池では電子過剰のn型半導体と電子不足のp型半導体の組み合わせに光を当てて電気を起こさせる。オゾン層の破壊はオゾン層に達したフロンなどの光分解により発生する塩素原子によるといわれている。また、光化学スモッグはいろいろなところから排出された窒素酸化物や炭化水素が光の作用でオキシダントとよばれる酸化力の強い物質に変わり、人体に影響を与えるものであるといわれている。


<登録年月> 2002年03月

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