black liquor. パルプ製造工程で発生する廃液の一種。木材を原料とする製紙法で最も一般的なクラフトパルプ法では、チップを予熱した後、白液(苛性ソーダと硫化ソーダの混合液)とともに蒸解釜に送り込み、高温・高圧で 2時間程度蒸解する。この蒸解工程で木材の非繊維素は白液中に浸出し、繊維素と分離される。繊維素は精製工程、脱水工程を経て漂白工程に送られる。蒸解工程の廃液を黒液と呼ぶ。黒液を濃縮して硫酸ソーダを添加し、薬液回収ボイラーに噴出させると、黒液中の非繊維素有機成分が燃焼して、炉底にスメルトという液体が残る。この水溶液に生石灰を加えて、再び白液を得る。(この工程によるソーダ系薬品回の収率は98%以上に達する。)黒液中の非繊維素有機成分(リグニン、樹脂等)は一種のバイオマス燃料であり、燃焼で得られた蒸気は発電や紙の乾燥工程で利用されている。