NaI(Tl)シンチレーション検出器 NaI(Tl)検出器

NaI(Tl)シンチレーション検出器 えぬえぃあい(てぃえる)しんちれーしょんけんしゅつき

 ガンマ(γ)線測定装置として、微量のタリウム(Tl)を含むヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶からなるシンチレーション検出器を通称NaI(Tl)シンチレータと呼んでいる。NaI(Tl)の結晶にγ線が入射すると両者の相互作用(光電子効果、コンプトン散乱、電子対創性)によって2次電子がNaI(Tl)結晶物質を励起し、励起状態が定常状態に戻る時、分子がシンチレーションと呼ばれる閃光を発生する。この光を捕え、光電子増倍管と組み合せて、放射線の量を電流パルスにおきかえ、放射線測定器として用いる。光の強さは、結晶内で2次電子が失ったエネルギーに比例することから入射γ線のエネルギーや強度に関するスペクトル情報が得られる。シンチレータは、(1)シンチレーションの減衰時間が短いので、分解時間の小さな速い計測ができる、(2)蛍光量と吸収エネルギーの比例関係からエネルギー測定ができる、などという利点がある。


<登録年月> 2001年09月

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