ガンマ線遮へい

ガンマ線遮へい がんませんしゃへい

 gamma ray shielding. 放射線の中でも透過力が強いガンマ線に用いられる鉛、鉄、重コンクリート等を用いた遮へいをいう。物質に入射した場合、低エネルギーのガンマ線は光電効果によって吸収される。高エネルギーのガンマ線はコンプトン散乱によって、さらに高エネルギーでは電子対生成によってエネルギーを失う。こうした確率的な吸収反応でエネルギーが失われるので、物質中ではガンマ線の強度は指数関数的に小さくなる。その強度が半分になる厚さを半価層(または半値層)といい、半価層は通常は物質の密度に反比例する。コバルト60のガンマ線に対する半価層は、鉛で1cm、比重2.3のコンクリートに対しては約5cmである。ガンマ線の遮へいには、そのエネルギーに応じた材料、厚さの選定が行われる。


<登録年月> 2010年10月

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