遅発臨界

遅発臨界 ちはつりんかい

 delayed critical. 即発臨界に対する用語である。臨界状態になるのに遅発中性子が重要であることを強調するための用語。核分裂の際には中性子が発生するが、全ての中性子がすぐ発生するわけではない。U−235の核分裂の場合、99.25%は即発中性子として核分裂の直後に放出されるが、0.75%は核分裂生成物核種(先行核)の崩壊により、遅れて遅発中性子として放出される。遅発中性子を発生する核種は約30種類あり、遅発中性子は0.4秒から数10秒遅れて放出され、平均で 0.14秒遅れて放出される。この遅発中性子ならば制御棒操作等で中性子吸収量を加減し核分裂制御ができるので、実際の原子炉ではこの遅発中性子が原子炉の制御に大きな役割を果たしている。


<登録年月> 2000年11月

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