プルサーマル プルサーマル利用

プルサーマル ぷるさーまる

 プルトニウムを軽水炉等の熱中性子炉(thermal reactor)の燃料に利用することをいう。高速炉ではなく熱中性子炉で利用することを明示するためにプルサーマルと呼ばれているが、我が国のみの呼称である。高速炉の商用化までの過渡期のプルトニウム利用炉として我が国は新型転換炉の開発を進めてきたが、その実用化を断念した現在では、プルサーマルは軽水炉におけるプルトニウム利用と同義となった。英国、フランス等は商業用の大型再処理施設を持ち、欧州諸国ではそれらの施設から回収されるプルトニウムをMOX燃料に加工し早期から軽水炉で再利用してきた。我が国では少数体のMOX燃料集合体を用いた装荷試験を経て、2000年以降順次導入していく計画であったが、事故・トラブルや不祥事等で計画は遅延し、2009年12月に玄海発電所3号機で初めてMOX燃料の利用が開始された。電気事業連合会では、2015年度までに全国16〜18基の原子力発電所で導入することを目標としている。


<登録年月> 2010年08月

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