電子線硬化

電子線硬化 でんしせんこうか

 electron beam curing. キュアリング(硬化)は、熱硬化性樹脂の予備重合物であるプレポリマーが、流動性のある柔らかい状態から三次元網目を形成して、硬いプラスチック状態になることをいう。硬化させる方法には、熱、触媒、光、電子線、放射線などがある。不飽和ポリエステル樹脂が放射線によって硬化することは1950年代に発見されたが、実用化が活発になったのは、工業用の低エネルギー電子加速器が進歩した1980年頃からである。電子線硬化法の利点は、室温で短時間に反応し、高速処理ができ、熱に弱いまたは熱容量の大きい素材への適用が可能である。一般に300keV以下の自己遮蔽型の低エネルギー電子加速器が用いられ、エネルギー利用効率が大きく、省エネルギー的プロセスといえる。また、無溶剤型で樹脂の使用量が少なく、大気汚染の恐れのない、無公害プロセスである。


<登録年月> 1999年03月

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