核異性体

核異性体 かくいせいたい

 nuclear isomer。異性核とも呼ばれる。同じ原子番号と質量数をもった原子核でも、異なったエネルギー状態をもつことができる。しかし、高いエネルギー状態(励起状態)のものは、通常極めて短い半減期でγ崩壊して低いエネルギー状態に遷移する。ときにはγ崩壊の選択則のために、比較的長い半減期の励起状態が存在し、一種の放射性核種として扱われる場合がある。そのような励起状態にある原子核を核異性体という。励起状態が準安定状態であることを表すために、添字mを付けて区別する。例えば半減期が4時間でγ崩壊するBr−80mは、Br−80の核異性体である。


<登録年月> 1998年04月

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