放射線抵抗性細菌

放射線抵抗性細菌 ほうしゃせんていこうせいさいきん

 放射線に対する耐性の高い細菌をいう。細菌には胞子形成能のある種類とない種類とがある。一般に、胞子形成細菌は放射線抵抗性が大きいが、水分や温度などが生育に適している条件では発芽しやすいので、抵抗性は低くなる。一方、胞子を形成しない種類の細菌は概して放射線に対する抵抗性が小さい。しかし、これらの中にもまれに胞子形成細菌よりも著しく放射線抵抗性の大きいものがある。これらは、食品照射や放射線殺菌の研究の過程で発見されたものが多いが、ラジウム温泉の周辺から探し出された例もある。これらの細菌種では放射線で損傷したDNA(デオキシリボ核酸)を修復する能力が著しく大きいことが知られている。なお、放射線抵抗性細菌で病原性をもっているものは知られていない。


<登録年月> 2013年11月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ