制限酵素

制限酵素 せいげんこうそ

 2本鎖DNA(Deoxyribonucleic Acid、核酸)の特定の塩基配列を識別して切断する酵素(稀に1本鎖DNAを切るものもある)。各種の細菌に含まれ、細菌細胞に侵入するウイルスなどの外来DNAを識別し切断し、自己のDNAは保護機構により破壊をまぬがれる。これを制限と呼ぶことから名前が由来している。なお、細菌では、自己のDNAはアデニンやシトシン塩基をメチル化して、自らの制限酵素に攻撃されないようにしている。この現象を修飾と呼ぶ。各種の制限酵素は遺伝子組替えなどの実験において、都合のよい大きさのDNA断片を得ることができ、また、クローン化されたDNA断片の構造解析などに必要不可欠な試薬となっている。


<登録年月> 1998年04月

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