アブラヤシの果実から抽出されるパームオイルは、食用油、マーガリン、石鹸、工業原料等へ幅広く利用されているが、パームオイルの抽出工程で排出される空果房(EFB:Emputy Fruit Bunch)、果肉繊維(PPF:Palm Press Fiber)、核油粕(Kernel Cake)、廃水スラッジ(Palm Oil Mill Effluent Sludge)等の廃棄物のこと。これらの廃棄物のうち、核油粕および廃水スラッジは、すでに肥料として利用されている。搾油したのちの果肉繊維は、工場のボイラー燃料として用いられているが、煙公害の原因になっている。また、果実をふるい落としたあとの空果房は、一部が肥料用の灰の成分(カリ分に富む)を得るために利用されているに過ぎない。果肉繊維や空果房は地球環境保護の観点から注目されている貴重なセルロース系資源でもあり、家畜の飼料への転換などの新しい有効利用法の開発が望まれている。