放射能雲

放射能雲 ほうしゃのううん

 核爆発や原子炉事故時に、放射性核分裂生成物をまきこんで上空に吹き上げられて移行する雲状の気団をいう。チェルノブイル発電所事故では、原子炉出力が急激に増大して冷却水の圧力が異常に高まり原子炉容器(圧力管)が冷却水の圧力に耐えきれなくなって破壊し、多量の水蒸気が放射性核分裂生成物をまきこんで上空に吹き上げられて雲状となった。このようにしてできた雲を放射能雲という。放射能雲は風にのって移動し、重い粒子はそのまま下降したり、雨に伴なって下降した。これらの放射性降下物は、食物、家畜などの汚染源、吸入被ばくや皮膚被ばくの放射線源となった。放射能雲の移行を評価するための計算方法に、パフ・モデル、プルーム・モデルなどがある。


<登録年月> 1998年02月

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