生物体が放射線を受けると、一般に分裂増殖の盛んな細胞、あるいは形や機能の分化が低い細胞ほど大きな損傷を受ける。この放射線による影響の受け方の度合を感受性という。体の中で放射線に高い感受性を示すところとしては、骨髄、リンパ節、脾(ひ)臓などの造血粗織や胃、腸などの上皮組織、及び生殖腺、皮膚などである。これらの組織が放射線を受けた場合、実効線量当量への寄与は大きくなる。ICRPはこのことを考慮して実効線量当量への各組織の荷重係数を決めている。胎児や乳児は体のすべての細胞が活発に分裂増殖しているので、放射線への感受性が高い。したがって実効線量当量限度も成人より低い値がICRPによって勧告されている。